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映画 ソーシャル・ネットワーク [映画]

話題作であり
今週公開作で他に話題作もなくて
いつもの映画館でやるというので鑑賞決定

Facebookの創業者に関する事実を基にした
フィクション?

ラジオの町山さん解説では
人のアイデアやら何やらをパクりまくって
現在のFacebookを作り上げた創業者を
一緒に創業したかつての親友とかが訴えてて
その状況をドラマ化とか
そういう話らしいという前段階での理解

ソーシャル・ネットワーク

話題作だけにそこそこの入り
それでも人気役者が出てるってのでもないので
あくまでもそこそこ

予告編の段階でちょっと眠くなったので
やばいかなぁと思っていたけれど

いや
面白い

眠気なんてすぐに吹っ飛びました

単純にジャンルとしての天才ものが本当に好きで
しかも理解されない天才の孤独とかやられると
どんなパターンでも面白いと思ってしまうというか
一部が突出した天才が普通の人ができることをできなくて
凡人にののしられて呆然としてたりされると
もういたたまれなくて仕方ないのだけれど
嫌がらせ好きという残念な性質上
それをみて面白いという感情が沸き上がってしまってもう

事実を基にした
ってことなのでもっとなんか
よく知らない固有名詞がボロボロ出てきて
ややこしい展開になるかと思ったら
とにかく異様によいテンポで話が転がり
時間軸こそ頻繁に行き来するものの
決してわかりにくくはならないのも良かったです

とにかく展開の転がり方がいいリズム

主人公の友達が少ないおかげで
実は登場人物も少ないし

現実世界で爆発的な広がりを見せたサービスを語るのに
もっさりした語り口じゃ話にならないわけで
凡人には計りかねる基準で判断して
時代とあわせて膨張していくサービスにより
若い登場人物が右往左往するさまは
最終的に青春劇としての爽やかさすらあります

というかむしろ
これは最初から青春ものじゃないかと
だって
あのオープニングからの
あのエンディングですよ?
完全に青春ものですよ

青っぽい!

青春ものも天才ものも好きで
眠くなる間もなくテンポで語られる物語って
まったく隙がありません
最高です

というわけで
そういうジャンルが好きな人にはお勧めです

別にFacebookがなんなのかは知らなくても問題ないけど
知っていた方がストレスなく観られると思います
途中でNapsterの話も出てくるので
こちらがどういうサービスかを知っておくと
すんなり観られると思いますので知らない人は
ちょろっとwikiで調べてから行くといいと思います

さて
ネタバレ気にしないで書く感想は以下
ラストシーンにも触れるので注意してください

F1010007.jpg


痴話喧嘩から始まるこの映画ですが
思い返してみるに
ここでの主人公の男の子の言動が
結局この映画の全てではないかというくらい
彼のコンプレックスや何を大事にするのかや
欠損やらが次々と現れます


この噛み合わない会話からの振られ展開に
同情できたり共感できたりしたのなら
多分ここから先も楽しく観られると思います

あそこで彼を完全に軽蔑できる人は
多分面白くないんじゃないかと

振られた勢いでやった悪ふざけを
きっかけに
コンプレックスを刺激される出会い
ひらめいて広がり続けるアイデア
予定外の展開の連続と
主人公を取り巻く世界はどんどんと姿を変えていきます


実は彼自身はなんも変わってないわけです
出会う人に影響を与えられる部分はありますが
本質的に何も変わっていないということは
ラストシーンでのF5連打で明らかです(連打は嘘)

あそこで送信せずにPCを閉じてしまったら
彼の成長物語になってしまうのに
送信したあげくに
返事を待っての更新・更新です

かわいいなぁおい

彼は彼女を失ったあの時とさほど変わっていないのに
大事な友人を失い
あこがれの人を失い
大きなシステムと最年少の億万長者という地位を
手に入れている


間違えちゃいけないのは
彼が寂しい人間だ
とか言っちゃうことで
彼は金にこそ執着しませんが
あのシステムを心から愛しているので
自分が設計したFacebookが
全世界に広がっている現状は幸福なのだと思います
彼にとって一番大事なのはFacebookですから

基本的には変わらない無邪気で迷惑な天才と
善意やら悪意やら欲望がらみでまとわりつく周囲が
近づいたり離れたりする物語が本当に大好きで
この作品で訴訟する二組の主張は
映画を観る限りでは逆ギレにしか思えませんが
それはまぁ主人公を単なる嫌な奴にしちゃったら
Facebookに嫉妬しているみたいな話になっちゃうから
仕方ないです

アイデアをパクられた訴訟については
根本のアイデアのきっかけは確かに彼らではあるので
全く無根拠とは言えませんが
売るための物をアイデアから作る
という作業に関わってたり知っている人なら
誰でも知っているように
それを売れる商品にする間にする事が
本当に金になる部分だと思うわけです

映画中で彼が振られた時以上に怒りを見せたのは
口座凍結でサーバが落ちるかもしれない
というその時で
そこでの怒りの説明中に
このシステムがスゴいのは落ちないことだ
と言い切っています

どんなにすばらしいアイデアであっても
サービスの段階で問題があったら人は残りません
そして
最初にアイデアを考えたという人には
おそらくそういう問題を解決するアイデアはありません
それは技術的な問題だから当然です

そういう観点でいえば
Facebookというサービスの根本は
落ちないことを優先するというコンセプトを用意した
主人公のアイデアであると思います

ついでにいえば
彼が結局は親友を裏切ることを決断したのにも
この口座凍結によるダウン危機は関係したと思います
あれがなかったら主人公の裏切り行為は弁護できません
決別場面で親友が去った後の
やりすぎだ
ってのも偽善臭く見えたと思います


なにしろFacebookのシステムが彼の一番だいじなものです
命です
それを逆上してたとはいえ殺そうとされたら
不信感をもったとしても仕方ありません

逆に言えばあの主人公は
Facebookが彼の理想のシステムのまま成長すれば満足で
そこだけ守ってればいいんだから単純なもんですが
実際の人間関係で他人をそんな風に
自分とは全く違う考え方である
と理解しきるのはやっぱり困難で
別に映画を観なくとも至る所でグチられているわけです

あいつはなんもわかってねぇ
とか
あの人のやり方は間違ってる
とかなんとか

特に天才は他人に気を使ったりしないので
迷惑が明確だって話です


そんなありふれた社会の中で
途方に暮れてる天才主人公の
なんもわかってない風な顔が本当に魅力的で

いや
面白かった

忘れてた

途中に出てくるNapster創業者がまたいいキャラクターで
彼もまた天才なんだけど
彼は大人で
クラブでの主人公との会話で
きっかけが好きな女の子の気をひくためだと言いながら
今はもう彼女のことは思い出さない
という発言で主人公との相違が明確になる場面とか
良かったです

欲望に忠実な彼の個性は
凡人にも共感しやすいわけですが
天才もの好きとしてはあれが主人公だと
鑑賞中に天才を理解した気になっちゃうから
あんまり好きじゃないのです

人は相手が弱みを見せると安心したり
信頼する癖があるから注意だ

相手が天才じゃなくても気をつけないといけないのに
天才を理解した気になったら危険すぎる

とか
なんの話かわからなくなってきましたが
単純に筋だけ見たら天才的成功者とその周辺のゴタゴタ
ってなありがちな話ですが
そこに放り込まれた
人が何を大切に生きるか問題や
忘れられない彼女問題といった
青臭いテーマがやけにさわやかで
なんだか見終わっていい気分になりました

何億という資産がどうこうという話と
青春ものがこんな風にくっつくとは思わなかったです

これは好きです
観て良かった

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